行政書士として開業準備をしていると、「専門業務は好きなことを選んだほうがいい」というアドバイスをよく目にします。
確かに、その通りだと思います。好きなことであれば勉強も苦になりませんし、長く続けられるでしょう。
でも、私はこの言葉にずっと違和感を抱いていました。
なぜなら、「好きなこと」が何なのか、自分でもよく分からなかったからです。
例えば、私は小学校高学年から高校までサッカーをしていました。社会人になってからもフットサルを続けていました。
では、サッカーが大好きだったのかと言われると、少し違います。
小学生の頃は友達に誘われてサッカー部へ入りましたが、部活にはあまり熱心ではなく、試合にもほとんど出ていませんでした。出たいという気持ちもそれほどありませんでした。
一方で、友達と放課後に遊びでサッカーをするのは大好きでした。
同じサッカーなのに、感じ方は全く違っていたのです。
この経験を振り返ると、「好き」という感情は、そのもの自体だけで決まるわけではないと感じます。
誰とやるのか。
どんな雰囲気なのか。
遊びなのか、競争なのか。
自分に合った環境なのか。
そうした条件によって、「好き」は大きく変わるのではないでしょうか。
ただ、それだけでもありません。
どんなに環境や条件が良くても、そもそも興味を持てないものを好きになることは難しいと思います。
難しすぎてイメージが湧かない分野や、自分には縁がないと感じる分野には、なかなか踏み込もうという気持ちになれません。
つまり、「好き」は、
対象への最低限の興味 × 自分に合った環境や条件
この両方がそろって初めて育っていくものではないでしょうか。
だから私は、「好きなことを仕事にする」というよりも、
最低限興味を持てる分野の中から、自分に合った働き方ができる仕事を選ぶ。
そんな考え方のほうが、自分にはしっくりきます。
行政書士の専門業務選びで迷っている方の中には、「好きなことが見つからない」と悩んでいる方もいるかもしれません。
そんなときは、「何が好きか」だけではなく、「どんな条件なら楽しく続けられるか」という視点で考えてみるのも、一つの方法ではないでしょうか。
